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フィリピンNGOに寄贈した児童書についての報告

投稿日:2012年4月 3日(火曜日) | カテゴリ:寄付レポート | コメント(0) | トラックバック(0)
今年2月にフィリピンのNGO 「Friends of El-Nido」に寄贈した本と鶴嶺高校の生徒会の方たちが集めてくれた楽器についてNGOメンバーの大塚さんから連絡が来たので報告させていただきます。

現地の学校での本と楽器の寄贈が完結したとの報告です。

以下、大塚さんからのメール(原文)となります。

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この度は大変にお世話になりました。


おかげさまで、本、そして鶴嶺高校からのピアニカの遺贈先であります、Danat National Elementary School, Barotuan National High Schoolの先生方、生徒達、それに父兄の皆様には、大変に喜んでいただきました。また、我々、NGO Friends of El-Nidoとしましてもよい活動の場、機会であったと、スタッフの面々も喜んでおります。

大変にありがとうございました。

 

一応、今回、ご寄付いただいた本とピアニカの寄贈は完結いたしましたので、まとめ、ご報告をいたします。


1、今回寄贈していただきました本についてのまとめ

いただきました全本数は、172冊(箱入りの幼児用、極小の本は、1箱、1セットを1冊とし勘定いたしました。)、すべての本の表紙を写真に収めた後、分類、小学校用96、高校生用に65冊を今回の寄贈用に、6冊は日本語の為、後日訳を付けてからの活用を考え保留、3冊を協力してくれた生徒へのプレゼント、1冊は内容を考え保留、ちなみこれは過酷な児童労働を非難、撲滅を謳った本で、賛否ありましたが、大人用のみへの活用を考えております。(先進国では児童労働に対して、否定的なかたが多くおられますが、家族意識が強く、家庭を助けるという意識が小学生レベルでも強くあり、家業を助けるケナゲな労働者に私は、敬意を払い、かつ、何かと理由を付けてサボるフィリピン人を強く否定いたします。そこで、特定の方、場合のみ読んでいただく本と考え、学校向きではないと判断しました)のこる1冊は大変素晴らしく、施設図書館用に確保。(「誰にも渡したくない」と思わせる本ばかりでしたが、、、涙をのんで1冊だけ。)以上が分類本数と用途です。


2、寄贈先の2校について 

次の3点を基準に寄贈先を決定いたしました

 

a, 比較的小規模の学校で、予算の絶対的規模が小さい事。

b, エル二ド中心地よりはなれ、その経済活動のが及びにくい地域にある事。

c, 以前の経験から、寄贈後の本の紛失抑制の為に、寄贈後の本の確認や情報が入り易いように、我々NGOより、遠方過ぎない事。

 

Danat National Elementary School

80名の生徒数に対し、校長先生と3名の先生方が、6学年3学級を受け持っており、複合学級制を行ってます。教室内には、学校の備品であるところの教科書、(およそ2生徒に一冊の数のみ)以外は、30冊程度の本しか学校にはありません。

エル二ド中心地から、南にクルマで2030分の距離にあり、一応、隣の村になります、また、その(半端な?)近さの為に、それより遠方には、300名規模の学校があるにもかかわらず、児童の歩行の限度内(それでも一時間以上掛けてくる児童も少なくないとか)に、立地し、規模が小さく、予算上、複合学級にならざる負えないようです。中心地に働きに見える方もいらっしゃり、情報も入り易く、チョット訪問ということも可能な距離です。

余談ですが、写真をお送りしてお分かりのように、大変に素晴らし展望の地に位置し、しかもその校庭がその生徒数に対し驚くほどの広さです。決して、悪い子は育たない、、、という印象の環境です。(こちらの、特に公立校では、先生の質が大変に大きいのが現状です。)

 

Barotuan National High School

 450名の生徒数に対し、校長先生と教頭先生(秘書、または補佐の先生)と8人の先生が4学年を担当、1クラスの生徒数は約50名から82名(多いとは聞いてましたが、正直、驚きました)、クラス、科目によっては20名に一冊程度しか、教科書がないそうです。(これを聞いて、さらに驚いた私を先生方は苦笑いしておりました)。

 エル二ドの中心地より、北にクルマで3040分の距離にあり、エル二ドの次の村をPasadenniaといい、そのまた遠方の村になります。ちなみに、Pasadenniaの小学生達は卒業後、El-NidoBarotuanどちらかの高校に通うようになりますが、歩くとすると3時間以上の距離ではないかと思います。Danatに比べてもかなり小さな校庭で、生徒数を考えると、東京並みの狭い校庭とも思えましたが、多くの子供達が、2時間近い距離を歩いてくるそうです。1時限の授業の開始時刻は730分、最終の終了は17時の事もあるそうです。3月の日の出は6時ちょうどぐらい、日没は1815分位です。道中歩くのは国道ですが砂利道、街燈なるものは学校の周辺に数個のみです。(「学校での運動などは、極小でいいから、休んでいて、、、」と思わずにはいられませんでした。)

 生徒達は大変に礼儀正しく。我々の訪問を大変に喜んで迎えてくれました。その笑顔の素晴らしさは、写真をご覧いただければお分かり頂けると思います。

 また、このBarotuan では、一月中旬のお祭りが大変に有名で、その、2日間はエル二ドの人々、ローカルも観光客もこのお祭りを見に移動いたします。


3、本の運搬方法、配送会社につて

フィリピンは、人名、地名等の絶対数が少ないという事情があります。同名が多いのです。それに加え、確認作業の曖昧な気質が人々にあります。そんな背景から、今回、受取人であります理事の住む町名「Coroncoron町」と都市名「Coron city,を配送会社が間違え、誤配送となりました。配送会社に問題はあります、が、私は未だ、お伺いした様な40kgで12,000円と言う低価格の配送会社を見つけられません。コストを考えるとあまり良い代案は、今は持ち合わせておりません。そこでPalawan, Pueruto Prinsessa city支店、局留めで送る方法が、今の処よろしいかと考えております。これに付いては、後日、配送会社に確認をしたいかと思います。

 

4、「寄贈」と言いう活動について

NGO側の問題なのですが、今回、今現在のFriend of El-Nidoでの寄贈の活動は2回目、また、時期的に観光シーズンであったこともあり、慌ただしく寄贈当日を迎えてしまいました。各方面の方々には喜んで込んでいただきましたが、個人的には、単純な寄贈であった感があります。もう一工夫あれば、よりよい「寄贈」、「発展的な寄贈」になるのではと思われることがありました。

 

たとえば、こんな点ですが、、、ご意見をうかが得たらと思います。

 

a, 寄贈先の予想される利用者数と適正な本の冊数は?(学校という対象であれば、生徒1名に対し1冊で限度?)

b, 寄贈後の本の紛失の防止抑制策は?(今回は、すべての本にNGO名のスタンプを押し、本の表紙を写真でのリストにし、先方と私共両方がそれを所有するとしました。もちろん、棚卸みたいなことは考えていません、単に紛失抑制をと考えております)

c, 寄贈先でより利用していただくための工夫は?(たとえば、寄贈のセレモニーをこちらで、何か教育的な形で企画するとか?)

d, 寄贈後、それ以外の活動に発展するための事例、提案は?

 

フィリピンの過疎地がターゲットという事で、日本とは事情がかなり違いますし。寄贈先の問題で、寄贈元がどうこう言う事もない点もあります。が、より良い物とするため、機会があれば、山本様のご経験から、ご助言、参考例をお聞かせ願えれば幸いです。

 

5Danat小学校の後日談と、、、

寄贈されました96冊の本は併設されております、幼稚園(pre-school)にも分配されて、大切に使われております。その内容はもちろんですが、「フィリピン産」と紙質が大きく違い、長期の使用に耐えうるだろうと、先生方の感想をお伺いいたしました。学校の教科書はもう使用済みの印象、ボロボロの物を使っておられます。

また、先生のお一人は、音楽を専門に勉強をせれていらしたそうで、ピアニカついて特別の喜びの声をお伺いいたしました。音楽の授業では、歌を歌う以外、楽器の演奏などは、それらが全くなく、オルガン、ピアノ、ホルーン等の絵を見せて「こういった楽器があるよ」とお話をされるそうです。それが、来期からは実際に演奏を生徒が体験できると喜びの声を伺いました。80名の生徒さんに対したったの5台のピアニカの話ですが、特別な思いがあるとの事です。私が「泣かせる話だ」と切り返すと、楽器がないのだから選択の余地がないとのお話でした。

これも余談ですが、Barotuan 高校には依然、唯一の理科の教育機材である顕微鏡が寄付で1台存在したそうですが。壊れて使用不能だそうです。管理状況などはお伺いしませんでしたが、高温多湿の当地では、精密機械は壊れやすく、不調になり易い、、、というのは経験上理解できます。

本もしかりですが、すべての教育機材が不足、、、または、「無い」という言葉のほうが適切です。音楽、理科、科学、体育、、、等で当たり前に思い浮かぶ教材が無いのです。また、本が無いならコピーを誰かから、netから、、、と言っても、これら、わら半紙一枚にしろ、先生の自己負担となります。学校予算には組まれておりません。

 

6、今後について、個人的な展望と、、、

 エル二ド地域には、まだまだ沢山の学校があります。最大はエル二ド中心部にあるEl-Nido National High School が約1200名の生徒数で飛びぬけた規模です。後は大きくても400名程度、殆どは300名以下の規模のようです。Danat National Elementary Schoolの様な極小の小学校もまだまだあります。船でしか行けない地域、バイクも入れない地域もあります。貧しい、漁師だけの地域もあります。これらは、遠方で、援助の手が及びにくい所です。私自身、あまり接触を持つ機会も持てていないのですが、歯の無い、素朴で素敵な先生方の印象を覚えております。個人的にはこれらの方々に、寄贈を行いかと考えております。送料の件がありますがありますが、何らかの形で、こちら側がいくらかでも負担できればと考えております。

 また、今回の寄贈は、小学校用、高校用とに2種類に分類、そのほとんど全てを寄贈しましたが、本の分類にも工夫が必要と考えております。たとえば、過疎の過疎、海沿いの漁師だけの地域では、本を大切に扱う事は期待でにくいと思います。分類を小学校用、高校用へ分類、さらに、寄贈先の学校の状況に合わせ選別、、、等もできれば必要と考えます。こちらでも検討したいと思います。

 

 楽器の件、たった9台のピアニカ、1本のたて笛ですが、大変に喜んでいただきました。本同様、大変な希少価値があります。楽器類もそうですが、あらゆる教育機材、または、それになりうるもの、あれば、お譲り頂ければと思うのですが、、、何しろ、あるべき物が、すべて無いものですから、、、これはSBAの本業とは別の話ではありますが、もしできればと思います。


 もしよろしければ、長くお世話頂ければと考えております。よろしくお願いいたします。           

 

以上をご報告とさせていただきます。

 

余談ですが313日に鶴嶺高校の生徒会の皆様にと思いFriends of El-Nido より小さなプレゼントを送らせて頂きました。遺贈の日の様子と、Danat 小学校の様子、エル二ドの風景等のアルバムです。こちらの子供たちにも手つだってもらい、作成したものです。よろしければお楽しみ下さい。4月末には到着するかと思います。


、、、言う事で、この御報告と共に写真を添付してお送りしようとしているのですが、通信状況からか、それらを添付できません。申し訳ありませんが、写真は、後日お送りさせて下さい。一応、半数ほどはすでに私のFBにのせましたので、そちらも、よろしければご利用下さい。

 

フィリピン、エル二ドより

 

大塚


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以上です。


鶴嶺高校の生徒会へのプレゼント、なんでしょう?


今から楽しみですね!


そして本日、現地で撮影した写真が送られてきました。

dfsdf.jpg

本を寄贈した「Danat National Elementary School, Barotuan National High School」の校門です。


guyd.jpg

学校の先生方。本を囲んでパチリ!

P3261548.jpg

学校の本棚。いつかこの本棚を一杯にしたいです。


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生徒さんたち。みんないい笑顔ですね!


現地の学校等に掛け合っていただいた大塚さんと 「Friends of El-Nido」のメンバーさんたちにSBAスタッフ一同、この場を借りて感謝申し上げます。


これからもたくさんの本を寄贈していきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!



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